更年期障害(漢方、ホルモン療法、プラセンタ注射)
更年期とその治療について
女性の心身は、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の影響を受け、思春期・性成熟期・更年期・老年期の4つのライフステージを経験します。また、仕事や結婚、育児などのライフイベントでも変化します。
更年期とは?
更年期は、生殖期(性成熟期)から非生殖期(老年期)への移行期で、卵巣機能が衰え、閉経前後の数年間を指します。閉経は1年間月経がないことを確認し、最後の月経の年齢で決まります。更年期に現れる症状のうち、他の病気を伴わないものを更年期症状、日常生活に支障をきたすものを更年期障害と呼びます。
治療方法
当院では以下の治療を行っています。単独で効果が不十分な場合、組み合わせも可能です。患者様の2~3割が複数の治療を併用しています。治療中は、定期的な問診や検査を実施し、安全に管理します。1.プラセンタ療法
胎盤由来の注射で、新陳代謝や免疫力を向上させます。ホルモン成分は含まれません。初期は週2回が理想ですが、症状に応じて調整可能。保険適用の場合、回数制限があります。
2.ホルモン補充療法(HRT)
低下したエストロゲンを補う治療で、更年期症状の改善や骨粗鬆症・認知症予防などの効果があります。初期に不正出血やむくみが出ることがありますが、徐々に消失します。喫煙者や肥満、糖尿病・高血圧がある方は血栓症リスクがあるため慎重に行います。乳がんリスクはHRTの有無で大差なく、年1回の乳がん検診を推奨します(当院では実施していません)。
3.漢方療法
体質に合わせ、当帰芍薬散・加味逍遙散・桂枝茯苓丸などを処方します。冷え性の方に特に有効です。副作用が出る場合があるため、最初は少量から開始し、効果を見ながら調整します。
更年期症状は個人差が大きいため、一人ひとりに合った治療を提案しています。お気軽にご相談ください。